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秋田県立盲学校、パソコンで読み書き効率化(秋田)
 秋田市土崎港南にある県立盲学校(中村裕校長)では、先天的に視覚障害がある人や、社会人になった後、後天性の病気で視力が弱まり仕事を辞めて入学した人など、小学5年生から50歳代までの計24人が学んでいる。盲学校は県内に1か所しかないため、半数以上の16人は学校と隣接する寄宿舎で暮らす。マッサージなどの視覚取得を目指す人たちが学ぶ中、パソコンを活用した新たな動きも出ている。

 マッサージなどの国家資格を専門的に学ぶ専攻科3年の山之内雄介さん(20)は、先天的に、錐体(すいたい)ジストロフィーと視神経委縮を患っている。青と緑、黒と灰色など、色の境界がわかりにくく、階段の上り下りなどには苦労するという。白杖(はくじょう)を持たなくても生活はできるが、病気の治療法はないという。

 高校1年までは普通学級に通っていた。「友達もいたし、それなりに過ごしていたが、普通でいようと頑張りすぎてしまった」。自分のペースで勉強しようと、盲学校に入った。平日は寄宿舎で過ごし、週末、男鹿市の実家に帰る生活だ。

 午後7時~8時半の寄宿舎の「静粛時間」や、午後10時の消灯後の時間を使って、教科書数ページ分を頭にたたきこむことを自らに課している。

 来年2月にマッサージ、はり、きゅうの国家試験を控えた山之内さんは「卒業後、さらに最新の治療法を学んで、実家近くで開業したい」と将来の夢を力強く語る。

 高等部1年の工藤輝希(こうき)さん(15)は、小学1年の時から寄宿舎で生活し、盲学校で学んでいる。大館市の実家に帰る際は、以前は、家族が車で迎えに来てくれたが、練習を重ね、昨年からは自分で電車に乗って帰っている。

 寄宿舎1階には3台のパソコンが置かれている。工藤さんはパソコンを使い、趣味のホームページ(HP)を開設。「HPを通じて共通の趣味を持つ人と交流できるのが楽しい」と話す。

 このパソコンには、文字を読み上げるソフトが取り込まれている。生徒たちは勉強にも活用している。教諭も、国語の長文読解の問題や宿題を出題するのに使っている。

 小木田隆生教頭は「視覚障害者の学習は、健常者の1・5倍かかると言われるが、パソコンの活用で効率化を図れているようだ」と手応えを感じている。

 文部科学省によると、全国の盲学校にはそれぞれ、10台ほどのパソコンが配備され、パソコンの操作方法などを教えているという。

 厚生労働省の調査(2006年4~12月)によると、視覚障害者の就職先は、はりやきゅうなどの専門職が半数近くを占める。次いで多いのが、約1割を占める事務職。読み、書きの作業がパソコンで効率化され、視覚障害者の就職先は広がろうとしている。

 県立盲学校は1912年、県立盲唖(もうあ)学校として開校。48年にろう学校と分離し、71年にJR秋田駅近くから現在地に移転した。普通教育に加えて、視覚障害者が伝統的に従事してきたマッサージやはり、きゅうの資格取得に向けた職業教育も行われている。これまで、1500人近くが巣立った。少子化の影響などで児童生徒数は年々減少している。
出典:読売新聞


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